自身の芸術研究活動を深め社会貢献活動へと繋げる為、特定の領域について課題や仮定を設定及び評価分析を試みる。今回は芸術領域が健康とウェルビーイング向上、疾患予防、治療管理に有効である方法について、下記の通り仮定を定めて推測してみる。
1. 芸術活動の効果に関するエビデンスを
1.1 QOL向上と主観的幸福感
- 能動的参加(歌唱、ダンス、絵画制作等):自己表現や創造的達成感を通じて自己効力感や生きる意味を促進できると仮定。
- 受動的参加(コンサート鑑賞、美術館訪問):美的体験や社会的帰属感の強化に寄与できるのではないか。系統的レビュー等により、高齢者や慢性疾患患者の生活満足度や精神的健康がどの程度向上するか検証を進めたい。
1.2 ストレス低減と生理学的影響
- 芸術活動はコルチゾール低下や自律神経バランス改善に寄与すると仮定。
- アートセラピーや病院環境での視覚芸術設置は、不安・痛み・血圧の軽減にどの程度の効果を示すのか。
1.3 社会的包摂と孤独感の軽減
- 芸術活動は社会化の代理人として機能し、孤独リスクを低減すると仮定。
- アートイベント参加者は非参加者に比べ慢性的孤独感が長期的に軽減され続けるのか。
2. 認知症ケアにおける芸術介入の実証効果
- 行動・心理症状改善及び介護者バーンアウト防止:介護負担感と苦痛が有意に軽減。芸術活動は「今、この瞬間」の体験を重視し、認知機能低下後も自己表現や他者との接続を可能にする。
3. 経済的価値と社会的処方
- アート介入における社会的処方は、病院受診率や外来利用率をどの程度減少させるか。
- 費用対効果や費用に対してどの程度のリターンが発生するか。
4. 日本における再現性と文化的処方
- 介護保険制度との親和性:通いの場を活用し、芸術活動を「処方」へ昇華。
- 伝統文化資源の活用:茶道、書道、盆踊り等、高齢者に親和性が高く生活満足度を向上させうるものとは何か。
- 文化的処方モデル:地域の銭湯、神社、理容室等を拠点とする有機的導入の有効性はどうか。
5. デジタル技術とアート介入
- デジタル回想療法:認知症患者の孤独感解消、記憶刺激に有効。
- 離島や過疎地での福祉資源不足解消に寄与できる方法は何か。
6. 今後の課題と結論への展望
- 研究の異質性、サンプル不足、評価指標の多様性が課題。
- 共通評価基盤の整備が急務。
- 医療・福祉・文化の三者連携による「文化的処方」の社会実装が求められる。
