自身の芸術研究活動を深め社会貢献活動へと繋げる為、特定の領域について課題や仮定設定及び評価分析を試みる。今回は統合美学と社会設計:日本と西洋の芸術的連関による新生活環境モデルの構築について、下記の通り研究方向を定めてみる。
1.研究内容
現代社会が直面する都市の均質化、環境破壊、個人の孤立といった課題は、人間が世界をどのように認識し、構築するかという美学的・哲学的前提に依存しているのではないか。西洋近代の合理主義は自然を支配し空間を分割することで発展を遂げ、日本の伝統的な自然観や空間意識は主体と客体の境界を曖昧にし関係性を重視するが、近代化の過程で周縁化されてきた。この過程は、美術史・哲学・社会設計を統合し、日本と西洋の美学的差異を解明した上で、生活環境に機能する新しい芸術モデルの構築を目指せるのではないか。
2.検討方法
- 日本と西洋における視覚構造、自然観、主体性、素材・技法を軸にした美術史の構造的比較。
- 哲学的背景、社会制度・技術革新といった根本要因の分析。
- 近代化、グローバル化、デジタル化を通じた両者の変化と接続の検討。
- 西洋の構造的自律性と日本の環境的浸透性を補完関係として統合する芸術モデルの提示。
3.推論
- 西洋美学は分析的・静的・個人中心であり、日本美学は全体的・動的・関係中心であるか。
- 社会制度の違いが美学的基盤の差異を生み、建築・芸術の素材や技法にも現れているのではないか。
- 近代以降の相互影響により、西洋ではジャポニスムが、日本では文化の再定義が進む。
- 「環境共生型芸術」モデルを提案し、住宅、都市インフラ、医療、日常行動などへの具体的応用事例を推察する。
4.考察
- 芸術を完成した物体としてではなく、環境との相互作用により絶えず更新されるシステムとして設計することが、持続可能な生活環境構築の鍵となるか。
- 芸術の社会的役割は「装飾」から「社会OS」へと進化し、個人の自由と全体の調和を両立させる指針となり得るのではないか。
5.今後の研究課題
- 社会実装に向けた連携拡大と、芸術的価値を測るソーシャル・インパクト指標の整備。
- デジタル・アニミズムや借景的都市空間の設計を可能にする技術開発と運用の標準化。
- 住民参加型の共創プロセスの継続的評価と国際的なモデル化。
